■新しい岩見沢消防署
24 時間365 日、まさしく年中無休で、災害や、火災、急な病、不慮の事故などから、私たちを守ってくれる消防署。
昨年7 月から建設が進められてきた新庁舎が完成し、9 月5 日に移転しました。その新しい消防庁舎を紹介します。
◆私がご案内します
消防本部 予防課 予防係 道垣内 彩加(どがいど あやか) 消防士
今年4 月採用の岩見沢消防署初の女性消防士で、救急救命士の資格を持っています
●頼れる消防庁舎
新しい消防庁舎は、約6千600平方メートルの敷地に、地上5階建ての庁舎棟と訓練棟、地上1階建ての車庫棟が並びます。高機能消防指令センターや、大規模な災害が発生したときにも頼れる機能が盛りだくさんの施設なんです。
●見守りの中枢
消防庁舎の移転新築と併せ整備した〝高機能消防指令センター〞は、災害の受信から活動終了までをまとめて管理し、迅速で的確な消防・救急活動を実現する最新の指令システムなんです。
あらゆる災害による被害を最小限に抑え、救命率の向上などにつながり、私たちの安全と安心を確保します。
●高機能消防指令センターの特徴
◇迅速な地点特定
受付と同時にシステムが起動し、通報の発信地として表示された地点と、聴き取りした地点を照合し、迅速に災害地点を特定します
◇最適な部隊編成
出向中の車両も含め、災害の種類や規模に応じた最適な出動部隊を自動で編成します
◇予告で初動が早く
災害通報が入っていることを各支署や各出張所、出向中の車両に知らせる予告指令を行うことにより、初動が早くなり、出動までの時間が短縮されます
◇自動の出動指令
出動部隊の編成が完了すると、各支署や各出張所、出動部隊に指令が出されます。非番の職員や消防団員などにもEメールなどで災害情報が配信されます
◇いち早く現場へ
出動部隊は、車両運用端末装置を使い、最短時間で到着が可能なルートを確認し、現場に急行します
◇情報共有で的確な現場活動
指令センターと車両運用端末装置に、他の車両位置や道路の通行止め、水利情報など、刻々と変化する情報を表示します。消防本部事務室、消防署事務室、出動準備室、作戦会議室のモニターにも映し出され、情報を共有します
●119番通報のかけ方
皆さんは、火事や救急の時は、119番に通報するというのは、知っていますよね。でも、実際にそういった場面に遭遇した時、冷静に通報することができますか?
なかなか難しいのかもしれませんが、被害軽減への第一歩は、皆さんの通報から始まります。〝慌てず、落ち着いて、正確に〞通報することが、迅速で的確な消防・救急活動につながるんです。
あと、携帯電話は一般電話が利用できない場合に使用するようにしてください。電波の状況で通話が途切れる場合があるので、通話中は移動しないでくださいね。
ちょっと流れを確認しましょう。
<あなた>
局番なしで119番をダイヤル
↓
<岩見沢消防>
「はい、消防 119 番です火事ですか、救急ですか?」
↓
<あなた>
「火事です」もしくは「救急です」
↓
<岩見沢消防>
「住所はどこですか?」
↓
<あなた>
「●●町●●番地です」
↓
<岩見沢消防>
「近くの目標物や隣の家を教えてください」
↓
<あなた>
「●●小学校の北側の家です」
↓
<岩見沢消防>
「どのような状況(状態)ですか?」
↓
<あなた>
・火事の場合⇒「家が燃えています」「車が燃えています」
・救急の場合⇒「交通事故です。●●をけがしています急病です。胸を押さえて苦しんでいます」
↓
<岩見沢消防>
「名前と電話番号を教えてください」
↓
<あなた>
「岩見太郎です。電話〇〇- 〇〇〇〇です」
●効率的な動線
高機能消防指令センターの機能だけが、現場到着までの時間短縮の工夫ではありませんよ。出動件数の多い救急隊の仮眠室は1階にあり、救急車までの最短距離となっています。他にも、通信員の仮眠室は、通信救急事務室の隣にあるなど、効率的な動線となるように配置されているんです。
作戦会議室:指令センターの横にあり、この窓から指令センターの様子が分かります
備蓄倉庫:非常食や長期保存水などを備蓄する予定です
●災害により強く
新しい消防庁舎は、大きな災害が起きた時にも、機能を発揮します。頼もしい設備や機能を備えているのは言うまでもないですよね。
非常用自家発電設備:約72 時間対応可能な、非常用自家発電設備を屋上に備えています
自家用給油設備:道内で敷地内に給油設備を設けているのは、ここだけなんです
災害待機室:災害発生時に、職員や関係者が待機できるスペースを設けています
●万全なセキュリティ
多くの個人情報を取り扱う、通信機械室や指令センター、作戦会議室、通信救急事務室は、指紋やパスワードによる認証システムを導入しています。担当部署の職員以外は、入ることができません。たとえ消防長でも、気軽に入ることはできないんです。
そして、今は私だけなんですが、これから増えるだろう女性消防士に配慮し、パスワードによる認証システムを導入した女性専用スペースがあって、その中に更衣室や浴室、仮眠室を配置しているんです。
●さらなる鍛錬
消防士にとって、トレーニングは欠かせません。それは、皆さんを救助するために、体を鍛えることが必要だからです。このトレーニング室で日々鍛錬し、備えているんです。
私はまだまだ鍛錬が足りませんが、頑張って鍛えますよ。
●実践に近い訓練を
そして、消防庁舎の北側にある訓練棟は、さまざまな消火訓練・救助訓練を行うことができる施設です。
高所で助けを求めている方を救助するための救助訓練や、マンホールからの救出訓練、連結送水管を利用した放水訓練、落雪事故からの救出訓練など、より実践に近い形で訓練ができるつくりになっているんです。
訓練棟で行われた訓練の様子をお伝えしますね。
・傾斜地の降下訓練
・はしご車を使った救助訓練
・2 階ベランダからの救出訓練
・はしご登はん
・ロープ腕力登はん
・ロープ応用登はん
「いとこが消防士の方と結婚して、いろいろと話を聞いて憧れたこと、そして、東日本大震災のニュースを見て、『自分もその最前線に立ちたい』と思ったことが、消防士になっ
た理由です」と道垣内(どがいど)さん。上司や先輩には〝どがちゃん〞の愛称で親しまれています。
男の職業というイメージの強い消防士を選ぶことに、特に抵抗はなかったそうで、「体力や力が必要で大変だというのは、分かっていますが、女性目線での気遣いや対応を心
がけていきたいです」と優しい口調で話す一方、「『男には負けないぞ』という気持ちはあります。特に同期には負けたくないです」と力強く語る一面も。
新しい庁舎に、女性目線という新たな要素が加わり、私たち市民にさらなる安全と安心を提供してくれることでしょう。
◎岩見沢地区消防事務組合 〒068-0008 岩見沢市8 条東10 丁目2 番地47
消防本部 TEL/ 22 局4300 岩見沢消防署 TEL/ 22 局4380
問合せ: 岩見沢地区消防事務組合 消防本部総務課 TEL/ 22 局4300