昨年4月に発生した熊本地震。最大震度7の地震が2回続けて発生し、余震は4千回を超え、多くの被害が出ました。この地震は、熊本県の中央に位置する、〝布田川(ふたがわ)断層帯〟と〝日奈久(ひなぐ)断層帯〟という二つの活断層帯の活動によって発生したものでした。
では、岩見沢市ではどうなのでしょう?
●石狩低地東縁(とうえん)断層帯主部
活断層帯という言葉は、地震が発生した際に、テレビや新聞などで、見たり聞いたりすることが多いと思います。岩見沢市で活断層帯と言われてもピンとこないという方が多いかもしれませんが、〝石狩低地東縁(とうえん)断層帯主部〞という活断層帯が市内を南北に縦断しています。この活断層帯は、北は美唄市から、南は安平町まで延びており、長さは約66キロメートルに及びます。この活断層帯が活動すると、マグニチュード7.9程度の地震が発生する可能性があり、市内では地域によって最大震度6強を観測すると予測されています。
この活断層帯は、1千から2千年間隔で活動し、前回、この活断層帯が活動したのは16から17世紀だったと言われています。活動の単位が1千年単位であることから、今後、30年以内にこの活断層帯が活動して、地震が発生する確率は、ほぼ0%と言われていますが、熊本地震の際に活動した活断層帯のうち、〝日奈久(ひなぐ)断層帯〞の地震発生前、30年以内の地震発生確率が、ほぼ0から0.9%であったことを見ても、地震はいつ発生するか分かりません。岩見沢市でも、熊本地震と同じような地震が発生する可能性があると言えるでしょう。
また地震の被害は、規模、地盤の強弱、建物の構造などによって変わります。活断層に近い、遠いといった基準だけで、危険度を図ることはできません。
●取るべき行動
大きな地震が発生したら、身の安全を第一に考え、落ち着いて、揺れが収まるまでテーブルや机の下に身を隠し、安全を確保してください。むやみに動いたり、屋外へ出たりすると、転倒や落下物によりケガをするなど、大変危険です。
揺れが収まった後は、火災防止のため、ストーブやガスコンロの火を消しましょう。その後、家族の安否確認や家屋の被害状況を確認し、ご近所同士で声を掛け合って、安否を確認、必要に応じ救助活動をするなど、地域での助け合いをお願いします。
また、家屋の被害が大きく、住み続けることが危険な場合は、避難所へ避難してください。自宅で生活が可能な場合は、避難の必要はありませんが、不安な場合は避難所へ避難しましょう。
○家具などの置き方を工夫しよう
これまでの大地震では、多くの方が倒れてきた家具下敷きになって命を落としたり、ケガをしました。家具などの置き方を工夫しましょう。
・家具の転倒防止
地震によって家具が転倒し、下敷きになってしまうことがあります。ポール式固定器具などでの固定や、耐震マットなどを設置して転倒を防ぎましょう
・設置場所を工夫
寝室などには背の高い家具を置かないようにし、また万が一倒れた場合にも、下敷きにならない場所や出入口を塞がない場所に設置しましょう
・動きやすいものを固定
テレビなどの家電製品は、何かに固定するなど落下や転倒を防ぎましょう
○自宅で備蓄しよう
大きな地震が発生したときは、道路が寸断され、物流が滞ったり、電気、水道、ガスなどが使えなくなったりする可能性があります。そんな時には、自宅での備蓄が役立ちます。
備蓄の例
・食料品・飲料水
3日分を目安に備蓄。1週間分あるとさらに安心
・日用品
非常用トイレ、ウェットティッシュ、カセットコンロなどがあると便利
・医療品
ケガに備えて救急セット(ばんそうこう、ガーゼ、消毒液など)を準備
・非常持出品
避難をする際に、必要なものをすぐに持ち出せるように、ひとまとめにしておくなど、事前に準備
必要なものや数量は、家族構成や身体の状態によって異なります。それぞれにあった備蓄をして、地震に備えましょう。
水害や台風などとは違って、地震はいつ起こるかわかりません。だからこそ、日頃からの備えが大切です。
市は、民間企業との協定による食料、日用品などの確保、復旧体制の整備など、関係機関との連携を強化し、災害に備えていますが、災害時には市の支援である〝公助〞に加え、家庭での備蓄や災害への備えといった〝自助〞、地域での連携や災害時の協力や支援体制の整備といった〝共助〞が、それぞれ大きな力になります。
災害に備え、まずは、自分の身は自分で守る〝自助〞の意識を高めましょう。
市は、緊急地震速報などの情報を迅速・確実に伝達するために〝緊急告知FMラジオ〟を販売しています。FM はまなす一局専用で、緊急信号を受信すると自動的に起動して、大音量で緊急情報を伝達します。
販売場所や価格など詳しくは、市防災対策室にお問い合わせください。
問合せ: 市防災対策室