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共に悩み考え動く 生活サポートセンターりんく2

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北海道岩見沢市

主任相談支援員 浅山美保さん

●支援員の想(おも)い
支援員の一日を追いましたが、詳しく話を聞いてみましょう。
○ありとあらゆる相談を
相談は、本当に多岐にわたりますね。相談者が困っていることであれば、どんな相談でもという感じです。まずは相談を受けて、引き継げるものは、関係機関に引き継ぐという流れになります。問題が複雑で、二つ三つと重なっているときは、特にしっかりと話を聴きますね。

○相談件数は
相談を受けるのは一人ですが、相談者が複数のこともあります。相談者が伝えるのが苦手という場合は、家族や関係機関の方が同席するというケースが多いです。
去年の相談件数は、年間185件で、2日に1件のペースですね。これは新規の相談の件数で、2回目以降の相談も含めると、973件なので、1日2件以上となりますね。

○相談するには
電話やメールでも受けていて、まず電話が入ることが多いですね。仕事に行けなくなった、家から出づらい、体調が良くないという内容が多いです。
あと、スマートフォンなどを使って、ホームページからメールで連絡をくれる方もいますが、相談というよりは、相談日時の調整ということが多いです。
家から出づらいという場合は、自宅に伺うこともあります。逆に家に来られるのが嫌だという方もいますので、そういったときは、公共施設の人目につかない場所などを利用して話を聴いています。

○まず受けとめる
相手の話をなるべく否定しないということに気を付けています。「話していいんだ」と思われるために、まず受け止める。「でもね」「それはダメですね」ということは基本的には言ってはいけないことなんです。

○ちょっとしたきっかけで
10年くらい家から出られないという方の相談を受けていて、自宅で会うことになり訪問したんです。普段は絶対に人に会わない、人と話をしないという方で、なかなか自分のことを話してくれませんでした。その後も何度か訪問し、ある日「今後の目標を書いてください」とノートを渡したところ、〝自分の力で自立したい〟と書いてくれたんです。そこからトントン拍子に課題が解決していったという経験があって、それを今でも思い出します。
自分の想(おも)いがあり、タイミングが合えば、変わるんだというのを実感しましたし、そこから少しずつ信頼関係を築くことができました。「ああしましょう、こうしましょう」という押し付けではなく、相手の本当の想(おも)いを引き出すと、それがきっかけになるんだなということに気付かされました。
〝コミュニケーションが苦手〟と思われがちな方でも、口頭でのやりとりがゆっくりなだけで、じっくり考えて、文章で表現してくれる場合もあります。その方の表現方法やペースに寄り添っていきたいと思っています。

○自己理解の大切さ
相談者は、「すぐ働きたい」というケースが多いんですけど、話を聴く中で、すぐに働けそうにはないという背景が見えてくるんです。いつも、マラソンに例えるんですけど、「靴も履いていない、練習もしていない、それでフルマラソンを走るのと同じですよ」と。なかなか自分の状況は見えないから、第三者的に「鏡に映るあなたは、今こんな状況ではないですか?」と問いかけているんです。今は無理をしないで、まず目の前にあるいろいろな課題を段階的に目標を立てて、少しずつ解決していくんです。「靴を買う」「練習する」「3キロメートルの大会に出る」というように…。それを一緒に走る、伴走型の支援ですね。
相談者の自己理解は重要ですが、相談を受け、支援をする私たちもそうなんです。自分を理解していないと、人のことは見えないし、お手伝いもできないですからね。

○大切にしていること
さまざまな課題に注目すること以外にも、その方の良い部分や得意分野を伸ばしていくという視点も重要です。一見、遠回りに見える関わりを通して、自信を取り戻し、結果的に就労に結びつくことがあります。就労したことはもちろん嬉しいですが、生き生きと過ごせるようになることが一番重要だと思っています。
全ての課題を一度に解決することはできません。相談者と一緒に、悩み、考え、行動することで、少しずつ解決に向かうと思っています。

○働くこ日時:ゴールではない
働きだすことはできても、働き方がまだ分からないというのがあって、その部分でも私たちはお手伝いをしています。
 労働条件を確認したり、勤め先の人と話をする時間をつくったり、それで課題が解決していることもあるんです。働き続けて、生き生きと生活することのお手伝いをする感じですね。
りんくの取り組みの特徴としては、余暇支援も含めて、アフターフォローが充実しているということですね。余暇がすごく大事なものだと思っていて、趣味があると、落ち込んでも、持ち直すじゃないですか。そういったアフターフォローも行っています。

生活サポートセンターりんくが受ける相談は、多岐にわたります。「どこに相談していいか分からない」「こんなことで相談していいのか」「相談するのが恥ずかしい」など、相談すること自体に抵抗がある方も少なくありません。まずは相談をしてみましょう。相談することで気持ちが少し楽になるかもしれません。
そして、りんくは就労後の支援もしっかり行います。ゆるく、りんくとつながり続けませんか?

●ゆるりんく
ゆるりんくは、働き始めた方を対象に、2カ月に1回、土曜日もしくは日曜日にお楽しみ会を開き、みんなで楽しく交流します。平成30年度からの新たな取り組みで、プログラムを通じて状況が分かるため、問題が発生していた場合の早い段階での支援が可能となります。久しぶりに仲間と会って活動することで、参加者の息抜きにもなっています。

○〝ゆるりんく〟の由来
 〝ゆるりんく〟という名前は、第1回目の参加メンバーで考えたものです。〝ゆるく、りんくとつながりつづける〟という意味で付けられました。
参加者の感想:
久しぶりに懐かしいメンバーと会って、以前通っていたことを思い出し嬉しかった。今は、仕事をしながら資格取得に向け勉強をしていて毎日忙しいが、いい息抜きになった。(20歳代男性)

●岩見沢市生活サポートセンターりんく
所在地:〒068-0023岩見沢市3条西3丁目2番地1
【電話】25局5200
【メール】linksoudan@iwa-link.net
開所日時:月~金曜日(祝日、年末年始を除く)午前9時~午後5時30分
※祝日を除く火曜日と金曜日は、午後8時まで夜間電話相談を開設しています。

問合先:市保護課管理グループ

       

岩見沢市発行の広報いわみざわです。市民の皆さんへ大切な情報をいち早くお届けします。 広報プラス ーわたしの岩見沢ー

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