●地域で協力し、助け合う
○いろいろなことをしているんですね。でも、なぜ町会・自治会でやっているんですか?
ごみステーションの維持・管理や防災・防犯、道路・公園の環境整備、高齢者や子どもの安全などに関する問題は、個人や家庭では解決するのが難しい問題です。
また、これらの問題に関する住民のニーズは多様化・複雑化し、行政だけで対応することが難しくなっており、地域をより良いものにしていくためには、そこに住む人たちが、地域のことを考え、協力し、助け合うことが必要となっています。
その主体となるのが町会・自治会で、日頃から地域が一体となって、パトロールなどの防犯活動や一人暮らしの高齢者の見守り、子ども会を通じた地域での子育てなどを行い、地域の安全・安心を支えています。

○一人暮らしの高齢者の見守りとありましたが、高齢者に限らず、地域で孤立するということは?
昔はよく「向こう三軒両隣」などといって、隣近所の人と毎日のように顔を合わせていて、「今日は見ないな」という人がいたら、玄関先から「大丈夫かい」と声をかけ、具合いが悪い場合には、病院まで連れて行ったという話も聞きました。
しかし、インターネットや携帯電話などが普及したことで、地域の人とのコミュニケーションを取らなくなった人が増えたように感じます。離れて住む友人などと、常にコミュニケーションが取れるようになったことで、本人は孤立していると感じていないと思いますが、地域の中では孤立してしまっているのではないでしょうか。
玄関先で会っても挨拶をしない、隣に住む人の顔も分からないとなると、万が一の時に、地域の中での助け合いが難しくなってしまいます。

●追加取材
9月6日未明に発生した〝北海道胆振東部地震〟の時には、次のような活動が行われました。
◎多くの町会・自治会で、地震発生後に役員が地域を見回り、建物の倒壊や安否確認のパトロールを実施
◎近くに親族がいなくて、具合いが悪くなってしまった方のそばで、ずっと付き添いをした　など
「今回の地震で、近所に知り合いがいる心強さを実感した方も多いのではないでしょうか」

○確かに、災害が起きた時、周りに知り合いがいると心強いですよね
災害が発生した際、被害を最小限にするためには、自分の身を自分で守る〝自助〟、身近な人たちがお互いを助け合う〝共助〟、行政が支援する〝公助〟のそれぞれが役割を果たすことが大切です。町会・自治会は、この中の〝共助〟の役割を担っています。
いつ発生するか分からない災害に備え、町会・自治会には自主防災組織というものがあります。これは地域住民による自主的な防災組織です。また、自力で避難することが困難な人の避難を支援する制度にも協力しており、地域で助け合える体制づくりを進めています。
災害が起きた時は、みんなが混乱すると思います。お互いを知っていたり、理解し合えたりしていることで、お互い様の精神で助け合いのできる雰囲気を作っておくことが大切だと考えています。

●活動を知ってほしい
○今抱えている、町会・自治会の課題はありますか?
まず、町会・自治会の加入率低下、そして会員の高齢化、役員のなり手不足、活動への参加者減少、若い方の関心の薄さなど、深刻な問題に直面しており、安定した運営や活動の充実を図ることが難しくなってきています。
この状況を改善するため、各町会・自治会では、引っ越してきた人や未加入者へ、加入案内やイベント参加の声かけなどを積極的に行っています。また町連でも、役員が安心して活動できるよう、今年度から新任者向けの町会長研修会を実施し、さらに、町会・自治会活動のためのマニュアル作りも進めています。

○最後に、皆さんに伝えたいことは?
ぜひ、盆踊りなどの地域のイベントや清掃活動など、どのようなことでも良いので、気軽に参加してもらいたいです。そうすることで、皆さんに町会・自治会の活動を知ってもらえるとともに、地域の人を知ることができ、自分のことも知ってもらえると思います。

町会・自治会は、自分たちのまちを住み良いまちにするため、生活環境の整備や福祉の向上などの地域課題に取り組む組織として、市民生活に直結した重要な役割を担っています。つまり、皆さんの今の生活は、町会・自治会に支えられているとも言えます。
そして、町会・自治会への参加は、地域の人との交流や、災害の時の心強さにもつながります。皆さんも、まずは地域のイベントなどに参加することから始めてみませんか。

加入方法など詳しくは、岩見沢市町会連合会事務局(市民連携室内)まで、お気軽にお問い合わせください。

いわみ記者：今のぼくたちの生活は、町会・自治会に支えられているんだなぁ。
偉い人：おーい。せっかく取材してきたから、今月の特集は、町会・自治会ね
いわみ記者：えっ!?今から特集記事…大変だぁ
いわみ記者：でも!この記事で、たくさんの人が、町会・自治会に興味を持ってもらえるように、頑張るぞ!

問合先：市民連携室