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誰もが持つ大切なもの 人権を考えよう!-3

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北海道岩見沢市

●成長に伴い悩みも変わりますよね?
(野崎)思春期になると悩みも変わってきて、男女交際におけるトラブルも出てきます。そういったことに対応する取り組みとして〝デートDV講座〟を行っています。これは、交際中の相手から受けるさまざまな暴力の種類や実態、暴力を受けた場合の対処の仕方、平等な関係を築くためにはどうしたらよいかなどの話をして、その後、ロールプレイングということで、生徒たちにあるシーンを演じてもらい、その中で学んでもらいます。去年は栗沢中学校、岩見沢農業高等学校、北海道教育大学岩見沢校で行いました。演じる中で問題点に気付くということもあり、年々要請が増えています。
(干場)ロールプレイングは、生徒が演じることで、和やかな雰囲気になるんですね。時間にすると50分くらいなんですが、あっという間に終わる感じですね。人権に対する理解が深まり、相手に対する思いやり、優しさを身に付ける良い機会になると思います。

●人権作文というのを聞きましたが
(藤田)中学生に、作文を通して人権についての理解を深めてもらい、豊かな感覚を身に付けてもらうために、昭和56年から〝人権作文コンテスト〟が行われています。去年は岩見沢から115編の応募がありました。子どもたちが、「作文を書くことで、改めて人権について考えた」という内容が多いんです。

●いじめで苦しむ子どもに対する取り組みは?
(小山)〝SOSミニレター〟という活動があって、夏休み明けから秋にかけて、小・中学校に配布しています。子どもたちが書いて送ってくれた悩みを真摯(しんし)に受け止めて、秘密を守りながら、解決につながるよう、子どもの気持ちに寄り添う形で、私たちが返事を書いています。2回・3回と手紙のやり取りが続くこともあります。最後には、「すっきりしました」「話せてよかったです」という返事をいただきます。

●人権を学ぼう!
(藤田)今年は、市といわみざわ男女共同参画プラン推進市民会議とともに、6月24日(日)に人権に関する講演会を開催します。作家の落合恵子さんをお招きして、人権に関してのご講演をいただきます。会場では、人権に関するパネル展や、〝人KENまもる君〟と〝人KENあゆみちゃん〟による、人権啓発寸劇も行います。ぜひ、お越しいただきたいと思います。

●人権擁護委員をやって感じることは?
(藤田)10年以上、人権擁護委員をやっていますが、初めは重く感じました。そのうちに、人権擁護委員の活動を通して、自分が勉強させてもらっているということ、人権に対する理解が深まってきているということ、自分で満足するのではなくて、他の人にそれをお話しできるということが、自分のやりがいになっていますね。仲間の活動を見て、「自分もやらなきゃ」という励みにもなります。私が一番年上なんですが、歳を忘れて活動していますね。
(小山)私は、岩見沢人権擁護委員協議会の事務局をしていますが、自分のできる範囲で、より良いものを取り入れていきたいので、どんどん提案させてもらっています。他の委員の皆さんが、「人権擁護の仕事は楽しいよ」「今、充実してるんだ」と言ってくれることがすごく嬉しいです。「じゃあ、私ももっと頑張ろう」という風に思えるんです。人権教室の準備が結構大変なんですが、授業では、子どもたちがすごく楽しそうに授業を受けてくれるんです。真剣に向き合って授業を受けてくれるのを見て、喜びを感じています。
(野崎)昔は、法務局が主体的に動くという感じでしたが、今は人権擁護委員の皆さんが積極的に啓発活動などに動いています。自分も人権擁護委員として、少しでも役に立ちたいと思って、頑張っているところです。
(干場)初めは、人権相談と啓発がメインだと軽く考えていたんですけど、実際にやってみると、皆さん一生懸命、熱意を持ってやっているということを感じました。「私でもできるのか」と思う反面、「皆さんに少しでも追い付こう」という気持ちで頑張っています。人権相談で、最後に「来てよかった」「話してみてよかった」「聞いてみてよかった」と言ってくれるのが励みになりますね。

●今後、どのような活動になっていけば良いと思いますか?
(池端)人権擁護委員は、地域でのさまざまな人権問題をキャッチし、その解決のために法務局と連携を図る〝地域のアンテナ〟という大きな役割もあるので、今後も、人権擁護委員の役割、重要性というのは、大きくなっていくと思います。活動をどんどん活性化させて、皆さんがやりがいを持てる活動にしていかなければならないし、法務局も片方の車輪として一緒に活動していかなければなりません。人権擁護委員の活動が、市民の皆さんに浸透していって、大人も子どもも「人権って大事なんだな」「困ったらここに電話しよう」「気軽に相談しよう」というように思ってもらえるようになっていけばと思います。

●私たち市民ができることは?
(干場)まずは、人権について知っていただきたいので、6月24日(日)の講演会に参加してほしいです。それと人権困りごと相談をぜひ利用してください。本人はもちろんですが、周りに困っている方がいたら、「こういうのがあるよ」と教えていただきたいと思います。
(野崎)日常生活の中で、「何か変だな」「この人、差別を受けてるんじゃないの?」と思ったときは、一緒に考えてもらいたいと思います。そういった場面に遭遇したときに、何かを言えるような感覚を育ててほしいです。なかなか声掛けがしづらい時代かもしれませんが、一言声を掛けるということがとても重要だと思います。
(小山)学校や施設などで人権教室をしているんですが、家庭でも人権教育はできると思うんです。子どもたちに、人を思いやる気持ち、差別をしちゃいけない、違っていいんだよというのを常日ごろ、家庭でも教えてほしいですね。
(藤田)人権擁護って言葉が堅くて、受け止めにくいと思うんですが、人権困りごと相談は、よろず相談のように何でもお受けしているので、ぜひ利用していただけたらと思います。

〝人権〟と聞くだけで、「堅苦しい」「難しい」「自分には関係ない」と思う方が多いのかもしれません。少し人権を意識して、テレビを見て、新聞を読んでみてください。人権に関することが多いことに気が付くはずです。それだけ、私たちに身近な問題であるということです。
人権は決して難しいものではなく、人権教室で子どもたちに教えている〝命を大切にすること〟〝みんなと仲良くすること〟を心掛ければ、「●●だから」という差別はなくなるはずです。
人権擁護委員の皆さんの言う、私たち市民ができること。すぐにでも実行できることではないでしょうか。

問合せ:市庶務課

       

岩見沢市発行の広報いわみざわです。市民の皆さんへ大切な情報をいち早くお届けします。 広報プラス ーわたしの岩見沢ー

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