毎年11月12日から25日は、〝女性に対する暴力をなくす運動〟の期間です
女性に対する暴力と聞いてまず思い浮かぶのは、夫やパートナーからの暴力ではないでしょうか。
配偶者やパートナーからの暴力、いわゆるDV(ドメスティック・バイオレンス)は、人目に付かない場所で行われることが多く、被害が気付かれにくい危険なものです。
このDVをなくすため、北海道教育大学岩見沢校と連携し、DV防止啓発かるたを作成しました。このかるたで、一緒にDVを考えてみましょう。
■いろいろな種類が
DVは殴る、蹴るといった身体的暴力だけではありません。精神的暴力などは外からは見えませんが、被害者の心を傷つけ、逃げる気力を失わせます。
「め」目(め)に見(み)えない色(いろ)んなDVあるんだよ
□暴力の種類
身体的暴力:殴る、蹴る、物を投げつける、食事や睡眠を制限するなど
精神的暴力:怒鳴る、脅す、ばかにする、無視するなど
経済的暴力:生活費を渡さない、お金の使い道を細かくチェックするなど
社会的暴力:外出・電話・メールを制限する、他の人と接触させないなど
性的暴力:性行為の強要、避妊に協力しないなど
■DVのサイクル
DVは、加害者が暴力をふるう時期と優しくなる時期が順番に訪れる特有の周期があります。暴力が繰り返される中で、次第に激しくなり、周期も短くなります。できるだけ早い段階でDVに気付くことが大切です。
「く」繰(く)り返(かえ)されると激(はげ)しくなるDV被害(ひがい)
[解放期]
加害者:二度としないと謝る、優しくなる
被害者:もう一度信じてみようと思う
[緊張期]
加害者:不機嫌になりすぐ怒る
被害者:顔色をうかがい怯えて過ごす
[爆発期]
加害者:怒りをコントロールできなくなり、激しく暴力をふるう
被害者:恐怖で何もできなくなる
※上記の3つの繰り返し
■デートDV
DVは夫婦だけではなく、交際相手との間でも起きます。学生など若い世代の交際相手との間で起きる暴力のことを〝デートDV〞と言います。
「む」無理矢理(むりやり)にプレゼントさせるそれDV
「れ」連絡先(れんらくさき)恋人以外(こいびといがい)は消(け)されちゃう
■男性が被害に遭うことも
基本的には、女性よりも男性の方が体格や力で勝るため、被害者になるイメージがないかもしれません。しかし、実際には女性のパートナーからの精神的・肉体的な暴力に苦しむ男性も少なくありません。
内閣府の調査では、男性の約5人に1人がDVを受けたことがあり、そのうち約7割が誰にも相談していないと回答しています。
男性被害者が相談しない理由は、女性から暴力を受けていることの恥ずかしさや、「言っても信じてもらえないだろう」という気持ちが背景にあると考えられます。
市民連携室男女共同参画担当で相談を受けていますので、まずご相談ください。
「を」男(おとこ)でもDV被害(ひがい)にあうんだよ
■暴力を許さない社会を目指して
配偶者やパートナーなど、身近な関係だから何をしても良いわけではありません。どんな場合でも、どんな間柄でも暴力は犯罪です。市は、一人でも多くの方に暴力や虐待に関心を持ってもらい、被害に遭っている方が勇気を持てるよう、啓発活動を行っています。
「ゆ」許(ゆる)さない社会(しゃかい)を作(つく)ろうDV根絶(こんぜつ)
「と」どんなときも許(ゆる)されないよ暴力(ぼうりょく)は
■相談してください
「好きだけどなんだか怖い」と感じていませんか。「もしかしたらDVかも?」と思ったときは、一人で悩まず、勇気を出して相談してください。暴力から逃れ自立した生活を送るための方法を一緒に考え、必要な情報を提供するほか、専門機関の紹介も行っています。
「へ」平気(へいき)だと耐(た)えて続(つづ)ける?その関係(かんけい)
「ぬ」抜(ぬ)け出(だ)せる相談(そうだん)すれば辛(つら)い日々(ひび)から
■DV防止啓発かるたを作ってみて
※インタビューは距離を取り、マスクを外してもらい行っています。
鈴木 彩音(すずきあやね)さん、長井 千佳(ながいちか)さん、横谷 梨穂(よこたにりほ)さん、大和田 夏菜(おおわだかな)さん
□工夫や苦労した点は?
・文章や絵に個性を出すことです
・キャラクターを中性的な見た目にするなど、性別による決めつけがないようにしました
□かるた作成で学んだことは?
・バランスよく、みんなの意見を取り入れることの大切さです
・子どもにも伝わるようにするための表現力です
□かるたで伝えたいことは?
・言葉や行動といった形のないものが相手の心を傷つけます。かるたを見て、パートナーとの関係を客観的に見つめ直してほしいです
・「自分とは関係ない」と思うかもしれませんが、誰もが加害者、被害者になりうる身近な問題です。被害を生まないためにどうするべきか、自分はどうあるべきかを考えてみてほしいです
※DV防止啓発かるたは、DV防止のための出前講座などで活用していきます。
■DV防止のための出前講座
配偶者や交際相手からの暴力の問題を考え、正しい知識と理解を深め、DV防止に向けた啓発を図るため、出前講座を実施しています。希望する方は、市民連携室男女共同参画担当までご連絡ください。
■パープルリボンの無料配布とパネル展
日程:11月12日(木)~25日(水)
場所:市役所本庁、生涯学習センターいわなび(4西1)、あそびの広場(4西3であえーる岩見沢3階)、いわみざわ健康ひろば(3西4第2ポルタビル1階)、イオン岩見沢店(大和4-8)
※パネル展はイオン岩見沢店のみ。
■相談窓口(無料)
・市役所本庁 市民連携室男女共同参画担当
・北海道立女性相談援助センター【電話】011-666-9955(午前9時~午後5時(年末年始を除く)、午後5時30分~8時(平日のみ))
・女性の人権ホットライン【電話】0570-070-810(午前8時30分~午後5時15分(土・日曜日、祝日を除く))
□全国一斉「女性の人権ホットライン」強化週間
法務局職員や人権擁護委員が、女性の人権に関する悩み事や心配事をお聴きします。
日程:11月12日(木)~18日(水)
時間:午前8時30分~午後7時(11月14日(土)・15日(日)は午前10時から午後5時)
問合先:札幌法務局岩見沢支局(有明町南1)
【電話】22-0619
・DV相談ナビ 短縮ダイヤル#8008(はれれば)
・DV相談ナビ+(プラス)【電話】0120-279-889(24時間)
※身の危険が迫っているときは、ためらわずに110番通報するか、その場から逃げて、警察署・交番・駐在所に助けを求めてください。
問合先:市民連携室男女共同参画担当