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北海道大学COI 研究リーダー 玉腰暁子教授からのメッセージ

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北海道岩見沢市

この文書は3月10日時点の情報をもとにしています。
お読みいただいている今、皆さまにお願いすべき行動等は、その後の情勢の変化に伴い変わってきているものと思われます。国、道、市、あるいは専門家から発信される情報を確認し、デマに惑わされずに、必要な行動をとっていただきますよう、よろしくお願いいたします。

北海道と北海道民を愛する皆さまへ
北海道内の新型コロナウイルス感染拡大を抑えるためのお願い 2020年3月10日

北海道大学医学研究院公衆衛生学教室教授
北海道大学COI研究リーダー玉腰暁子

2月28日に鈴木北海道知事より緊急事態宣言が出されてから、2回の週末が過ぎました。その間、外出、特に風通しの悪く人が大勢集まるような場所を避ける行動をとられた方が多いと思います。ご予定のある中、リスクを避ける行動をとってくださいましたことに、まず感謝申し上げます。
新しい感染症が発生した場合には、全ての人が感受性を持つことから、感染機会を減らすと同時に感染者の集団(クラスター)を同定し次への感染を抑えること、そしてその間にワクチン供給や治療法の開発も含めた医療提供体制を整えることが重要となります。すなわち、未知のウイルスによる感染者が急増すれば、一定の潜伏期間後に発症者も増え、医療を必要とする方、重症者も増えます。それだけでも問題ですが、この方たちは感染症なので、臨床現場で他の疾患の方々と同じように扱うことはできません。そうすると、他の疾患の方を治療する機能にも大きな支障が出ます。現在、新型コロナウイルス感染がこのままのペースで拡大すれば、医療提供体制に甚大な悪影響を及ぼしうるレベルだと言われています。そこで、これまでにわかってきた特徴から、特に換気が少ない閉鎖空間で複数人が一定時間、手を伸ばせば触れる距離間で会話をするような機会を避けること(例えば、カラオケボックス、クラブ、懇親会、食事会、合宿、自宅での大人数での飲み会など)が望まれたわけです。

既に2回の週末を緊急事態宣言下で過ごされた方の中には、日々増え続ける新たな感染者数の報道に接し、自分たちが外出自粛をして対策に協力することは無駄なのではないかと思ったり、悲観的に感じたりされる方もいらっしゃると思います。これまでに、この新型コロナウイルスの場合、感染してから症状が出て、検査により確定されるまでには約2週間かかることがわかっています。すなわち、現在報告されている患者数はおおよそ2週間前の感染状況を示していることになります。また、感染者の約8割は他の方に感染させておらず、一方で上述した一定条件を満たす場所において、一人の感染者が複数人に感染させた事例が報告されています。ですから、私たちが感染を避ける行動をとった効果は、今週末以降の報告状況を確認しないとわかりませんし、そのデータの解析にも1週間程度はかかるものと思われます。

そのため、まずは緊急事態宣言の期限として示された19日まで、引き続きリスクを避けた行動をとられるよう、改めてお願いいたします。

◆北海道の皆様へのお願い
(1)換気が少ない閉鎖空間で複数人が一定時間、手を伸ばせば触れる距離間で会話をするような機会を避けること。
(2)国内旅行(実家への帰省含む)や海外旅行、不要不急な国内・国外への出張については、北海道内で感染リスクがあることから、当面の間控えることが望まれています。海外や全国への感染を広げることにつながる行動は避けてください。
(3)軽い風邪症状(のどの痛みだけ、咳だけ、発熱だけなど)でも外出を控えてください

皆さんが、人が集まる風通しが悪い場所を避けるだけで、多くの人々の重症化を食い止め、命を救えます。

       

岩見沢市発行の広報いわみざわです。市民の皆さんへ大切な情報をいち早くお届けします。 広報プラス ーわたしの岩見沢ー

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