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公共交通を次の世代に/岩見沢市地域公共交通計画を策定(1)

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北海道岩見沢市

交通の要衝として発展してきた岩見沢市。充実した鉄道網や道路網に支えられた公共交通は、〝暮らしの足〟として、市内外の多くの人に利用されてきました。
しかし、人口減少や少子高齢化、自家用車の普及などにより利用者は年々減少し、市内の公共交通を維持することが困難な状況です。
市は、皆さんの〝暮らしの足〟である公共交通を維持し、地域の暮らしを守るために〝岩見沢市地域公共交通計画〟を策定しました。
今月号は、その概要と皆さんに知ってほしいことを紹介します。
この計画の詳細は、市ホームページをご覧ください

◎76.1メガヘルツ
市職員が出演して説明します
7月9日(金)午後5時40分

■公共交通の今
公共交通の利用者が減少し、収支が悪化したことで、交通事業者は路線の一部縮小やダイヤの見直しなどの合理化を図ってきました。
また国や道、市は、地域にとって欠かせない公共交通を守るため、公的負担をしていますが、その負担額は増加してきています。
さらに、新型コロナウイルスの影響による、観光客の減少や外出の自粛などで、観光や都市部での利用も含めた公共交通全体の利用者が急激かつ大幅に減少しています。これらのことから、公共交通を取り巻く状況はますます厳しさを増しています。
年間の市内バス路線総乗車人数:

このグラフを見ると、バスの利用者が激減しているのが分かりますバスに限らず、公共交通全体の利用者が大きく減少しているんです

■他人ごとではない
公共交通の維持には、利用者の確保が不可欠です。
しかし「自家用車があるから公共交通がなくても大丈夫」と思っている人も多いのではないでしょうか。
特に若い世代の人は、これからも長く自家用車に乗れるかもしれません。しかしこの先、自分の親が免許を返納したら、子どもが自転車で通えない距離の学校に進学したら、そのときに公共交通がなかったらどうでしょうか。
公共交通の問題は、老若男女問わず皆さんにとっての〝自分ごと〟なのです。
「いま大丈夫」と思っていても、公共交通が必要になるときが必ずきますそのときに、公共交通がなかったら…

■求められる役割
人口減少が続くと予測される中、現在岩見沢市は都市機能や生活関連サービスの集約化が進んでいます。
その中で公共交通には、大きく二つの役割が求められています。

□〔求められる役割〕人口が集中する都市部などで多くの人々が行き交う、まちの賑わいを支える役割
活発な経済活動を支えるため、できるだけ短時間で、より多くの人を運ぶ〝量的ニーズ〟への対応が求められます。

□〔求められる役割〕過疎化や高齢化が進む地域で地域での安心な暮らしを支える役割
地域内に医療機関や学校、商店などが少なく、地域外への通院や通学、買い物など、日常生活のために不可欠な移動の〝質的ニーズ〟への対応が求められます。

■持続可能な公共交通へ
将来にわたり、岩見沢市の持続可能な旅客運送サービスを確保するため、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づき、岩見沢市地域公共交通活性化協議会での議論を経て〝岩見沢市地域公共交通計画〟を6月に策定しました。
この計画では、これまでの取り組みの進捗状況や成果、現状と課題、国などの交通施策などを踏まえ、次の4つの基本方針と施策に重点的に取り組んでいきます。
計画期間:令和3年度~7年度(5年間)

□基本方針1まちの活力を支える公共交通
新型コロナウイルス感染症の影響や、マイクロツーリズムの普及、さらには2030年の新幹線の札幌延伸なども見据え、人の流れが大きく変化する中にあって、将来にわたり、まちの活力の維持に資する公共交通網の構築を目的として、以下の施策に取り組むこととします。
施策1…「まちなか」の賑わい形成とのリンク
施策2…気軽に行ける「いわみざわ」
施策3…広域連携を支える社会基盤
施策4…環境負荷の低減

□基本方針2暮らしを支える公共交通
一定の人口減少が避けられない状況下にあって、市内どこに住んでいても、生涯にわたって安心して暮らすことができるよう、人口構造の変化や、生活関連サービスの状況など、地域特性に応じた持続可能性の高い移動手段の確保を目的として、以下の施策に取り組むこととします。
施策1…「暮らしの足」の確保
施策2…地域特性に応じた最適な公共交通体系の検討(持続性の確保)
施策3…競合から補完へ
施策4…貨客混載などの検討

□基本方針3誰もが利用しやすく効率的な公共交通
高齢化の進行に伴う免許返納者の増加や、人々の生活様式の変化などに伴い、多様化かつ細分化する移動ニーズを公共交通の利用に的確に結び付けるとともに、労働力確保などの新たな課題を克服することを目的として、以下の施策に取り組むこととします。
施策1…ICTの活用等による、新たな交通システム
施策2…利用時の安心の確保
施策3…安定運行の確保と、情報の充実
施策4…健康志向の高まりへの対応

□基本方針4みんなで守る公共交通
行政や交通事業者はもちろん、地域全体で「暮らしの足」を守っていくため、利用者数や収支状況等の積極的な情報の開示により、公共交通の重要性や危機感を広く共有しながら、以下の施策に取り組むこととします。
施策1…地域との対話による理解促進
施策2…学校等と連携した普及啓発
施策3…公共交通を守るための利用
施策4…地域の参画

       

岩見沢市発行の広報いわみざわです。市民の皆さんへ大切な情報をいち早くお届けします。 広報プラス ーわたしの岩見沢ー

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