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共に生きるまちづくり(1)

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北海道岩見沢市

〝岩見沢市手話言語条例〟が平成30年4月に施行され、4月で5年がたちます。
市は、市民の皆さんが手話への理解を深め、共生のまちづくりに参加するための施策を展開してきました。
手話を取り巻く環境は、この5年でどのように変わったでしょうか。手話を使っている岩見沢ろうあ協会の方に話を聞いてきました。

◎76.1MHz
市職員が出演して説明します
3月10日(金)
午後5時40分

■岩見沢市手話言語条例におけるそれぞれの役割
□市
手話の普及を促し、手話を使いやすい環境づくりを進める

□市民
手話に対する理解を深め、市が推進する手話に関する施策に興味を持って参加する

□ろうあ者
市民の手話に対する理解を深めるための取り組みを行う

□事業者
手話やその他の方法によりコミュニケーションを図り、利用しやすいサービスを提供する

■ろうあ者とは
生まれつき耳が聞こえない、幼少期から聞こえづらい、何らかの理由で耳が聞こえなくなった方で、声や言葉を覚えづらく発音がうまくできない、あるいは全くできない方のことです。
私の場合は生まれつき聞こえませんが、言葉を覚える時期に聴力を失ったことで自然と手話を覚えた方もいます。全く聞こえなくても、ろう学校などで厳しい口話※の訓練を受け、口話ができる方もいます。今では、手話は言語という理解が広がり、手話を使うことに抵抗は少なくなりました。
※口の形から言葉を読み取り、また、その口の形をまねることで言葉を発すること。

■岩見沢市手話言語条例が施行されて5年たつが、何か変わったことは
出前講座の〝どこでも手話〟ができ、手話サークルが認知され、手話が広がってきているように感じます。手話のパンフレットもでき、市役所の窓口に設置していただいています。手話奉仕員養成講座や手話奉仕員スキルアップ講座など、手話通訳者の養成も始まったことはとてもうれしく思っています。しかし、岩見沢には手話通訳者がまだまだ足りません。一人でも手話でお話しができる人が増えてほしいです。

■授業で〝どこでも手話〟を行うなど、子どもにも手話は広がってきている
授業で手話に触れる機会が増えたことは良かったと思います。手話がある環境で子どもたちが育っていることをうれしく思います。
テレビドラマや動画で手話が取り上げられていることもうれしいです。広報いわみざわでもYouTubeやAR動画で手話を紹介する試みもしましたね。

■日常生活で困ること
公共交通の遅延・運休など、すぐには情報が入ってこないため不安になります。公共の場に設置されているテレビの字幕がついていると助かります。最近のテレビには字幕表示機能がついているので、操作方法を覚えて表示してもらえるとありがたいです。
お店での意思疎通も難しいです。商品に値札が付いていないときに値段を聞くのも困難です。レジで手間取ってしまうため、混雑するお店では並んでいる人に迷惑が掛かると思い、諦めたりほかの商品にしたりしています。空いているタイミングを見計らって行くこともあります。
災害時は特に大変です。胆振東部地震のときは情報が入ってこなく、何が起きたかわからずとても不安でした。情報がないことは不安につながるのだなと思いました。岩見沢には1人で暮らしているろうあ者もいるので、その方に情報が届くようにしてもらえれば助かります。災害時にはろうあ者だとわかる〝防災バンダナ〟を活用しているので、避難所で見かけたときは配慮していただければと思います。
耳が聞こえないということは見た目では分からないので大変です。

■手話じゃなくても
身振りでも通じ合えるということを知ってもらいたいです。ろうあ者も健聴者も、目と目を合わせてコミュニケーションを取るということを基本にしてほしいです。目をそらしてしまうと通じ合うことができません。

■筆談は
実は筆談が苦手なろうあ者は多いです。私も文章を悩むことがあります。例えば私は〝お母さん〟という言葉は〝母〟や〝ママ〟など、同じ意味の言葉がいくつもあることを社会に出て知りました。人にもよりますが、手話が分からないときは、筆談よりも身振りの方が伝わることもあります。
音声言語を習得した後に聞こえなくなった方の中には、文字を使ったコミュニケーションの方が取りやすいという方もいます。
どの方法が相手にとってより良いのか、交流・体験しながら理解していくことが大切です。

■ろうあ者にとって手話とは
自分の気持ちを素直に表せる言語です。命と言ってもよいかもしれません。母語として皆さんは日本語を使っていると思いますが、私たちろうあ者にとっては手話が母語です。

■今年は岩見沢でろうあ者の大きなイベントが開催されます
岩見沢市では29年ぶり3回目の〝北海道ろうあ者大会〟が9月1日から3日にかけ、まなみーる市民会館・文化センターで開催されます。1日目は大会の打ち合わせの会議、2日目には福祉部門と手話部門のセミナーが実施され、高齢者、女性、青年のつどいなども開催されます。最終日には長年の功労者への表彰やセレモニーとして記念講演が開催されます。
29年前は全道から800人ほど集まりました。今回は新型コロナウイルスの影響もありますが、たくさんの方に来ていただけることを期待しています。まちを歩く方もいると思うので、コミュニケーションツールなどがお店にあるとありがたいですが、大事なのは目を合わせての笑顔だと思います。温かく迎えてください。

■手話で歓迎!ようこそ岩見沢
□ようこそ
両手の手のひらを上に向け、右から左へ動かし迎える動作をする

□岩
5本の指を折り曲げた両手の指先を向かい合わせ、互いに逆方向へ回す

□見
右手の人さし指を立て、目元から前へ出す

□沢
両手の手のひらを上に向け、揺らしながら左右へ引き離す
※詳細は本紙またはPDF版をご覧ください

□動画もチェック(二次元コードは本紙参照)
「手話で歓迎!ようこそ岩見沢」
手話は、音声言語である日本語と異なり、手指や体の動き、表情を使って視覚的に表現する言語です。聴覚に障がいのある方がさまざまな方とコミュニケーションを取ったり、お互いの気持ちを理解し合ったりするためだけでなく、知識を蓄え文化を創造するために必要な言語として手話を大切に育み、受け継いできました。
市はこれからも、手話への理解や普及を進め、聴覚に障がいのある方が共に安心して暮らすことができる地域社会の実現を目指します。

□表紙の手話
I LOVE YOU
それぞれの単語の頭文字〝I〟〝L〟〝Y〟の指文字を一つに組み合わせて表します
詳細は本紙またはPDF版をご覧ください

       

岩見沢市発行の広報いわみざわです。市民の皆さんへ大切な情報をいち早くお届けします。 広報プラス ーわたしの岩見沢ー

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