市は、行政改革を推進するため、改革の基本的な考え方や方向性を示す〝行政改革大綱(計画期間平成25年度から令和4年度)〟に基づき、行政評価システムの導入をはじめ、公共施設の再編や窓口業務の一部スマート化など、経営型行政運営を基本理念に、コストや成果を意識した行政運営と行政サービスの維持・向上に取り組んできました。
これまでの取り組みや成果を踏まえ〝持続可能な行財政運営〟と〝満足度の高い行政サービスの実現〟を目標に、令和5年度から令和14年度までを計画期間とした新たな〝行政改革大綱〟がスタートしました。
今月号では、行政改革大綱の行動計画に位置付ける〝中長期財政計画〟と〝職員定員管理計画〟とともに、その概要をお知らせします。
◎76.1MHz
市職員が出演して説明します
5月12日(金)午後5時40分
■行政改革の必要性
□人口減少と少子高齢化の進行
岩見沢市人口ビジョンの将来推計では、市の生産年齢人口(15歳から64歳)が約40年後に半減するとされており、税収への影響のほか、地域をはじめ、行政や民間などさまざまな分野で予想される担い手不足に対応する必要があります。
また、令和14年には建築後30年以上経過する公共施設が全体の8割を超え、老朽化による維持管理コストの負担が増えることが懸念されます。
□ICTやDXの進展
AIやICTなどの情報通信技術を活用した、新しい価値やサービスが次々と創出されています。デジタル社会の進展に後れを取ることなく、業務の効率化や省力化に取り組むほか、市民サービスの向上に結び付く自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を図るとともに、それを支える人材の確保・育成を行う必要があります。
□社会経済情勢の変化に対応した行政運営
ポストコロナ社会における〝新しい生活様式〟をはじめ、SDGs、カーボンニュートラルに向けたGX(グリーントランスフォーメーション)など、社会変容が加速する中で、新たな課題や価値観に柔軟に対応し、課題解決に向けた原動力や地域活力に結び付けていく必要があります。
■岩見沢市人口ビジョンにおける将来展望
■建築系施設の築年数の棟数割合
■行政改革大綱の基本的考え方
□基本理念
これまでの取り組みを基礎として、限りある経営資源を有機的に結び付け、迅速性、的確性、実効性を追求し効率的で効果的な行財政運営と市民満足度の高い行政サービスの実現を両立する〝経営型行政運営の推進〟とします
□目指す方向(スローガン)
持続可能な行財政基盤の確立と新しい時代への対応
□基本方針と改革の進め方
目指す未来を起点として、今すべきことに取り組むバックキャスティングの考え方により、2つの基本方針を基に取り組みを進めます
□計画期間
令和5年度~令和14年度(10年間)
◆基本方針1 持続可能で効率的・効果的な行財政運営
◇事務事業の最適化
・行政評価などによる施策・事務事業の進行管理と最適化
・society5.0を実感できる行政サービス、業務環境の構築
・エネルギーの地産地消、新たな成長に結び付く取り組み
◇持続可能な財政運営
・収納対策や使用料などの受益者負担、新たな財源確保の検討
・各種補助事業などの見直し、公共工事コストの縮減
・特別会計、公営企業会計、第三セクターなどの健全経営
◇公共施設マネジメントの推進
・維持管理コストの抑制と施設の長寿命化
・施設の最適化(複合化、集約化、多機能化、売却など)
・広域的な相互利用、民間事業者によるサービスの維持・向上
◇効率的な組織体制と横断的な連携
・利便性の高い組織・執行体制の見直し
・組織横断的なプロジェクトチームの設置
・広域的な課題解決・地域振興を進める自治体間連携
◇組織マネジメントの強化
・採用試験の柔軟化、プロフェッショナル人材確保の検討
・業務量の把握と実態に即した適切な人員配置
・職員の年齢構成や定年延長を考慮した計画的な採用
◆基本方針2 満足度の高い行政サービスの実現
◇多様な主体との協働・共創の推進
・課題解決や地域活力向上に向けた協働のまちづくりの推進
・市民参加の機会の確保
・新たなまちの魅力、価値を創り上げる〝共創〟のまちづくり
◇行政サービスの質の向上
・各種申請手続きなどの簡素化
・申請手続きなどのオンライン化、キャッシュレス決済の拡充
・デジタルとアナログとの併用による行政サービスの向上
◇市政情報の共有と透明性の向上
・広報、市ホームページなどの充実、ソーシャルメディアによる情報提供
・パブリックコメントなどによる市民ニーズの把握
・情報公開や個人情報保護、行政手続などの適正な運用
◇危機管理体制の充実・強化
・防災訓練などを通じた防災意識の向上と知識・技能の習得
・行政、地域、関係機関が一体となった避難支援
・情報セキュリティ対策、情報セキュリティリテラシーの向上
◇人材育成と職員力の向上
・職員の能力向上に向けた研修などの充実
・デジタル人材の育成・強化
・ワーク・ライフ・バランス、健康増進などの推進