□創業への思い
椎名先生/永山さんは、創業まで見据えているとのことですが、他の皆さんで将来創業してみたい、いつか自分で独立したいと思っている人はいますか?
稲葉さん/理学療法士や柔道整復師の技術を身に付けた後であれば、独立してもよいと考えています。独立するのであれば、交通の便が良く、人が多い場所が良いと思っています。
茶島さん/憧れることはありますが、創業してもすぐ失敗するのではないかと思ってしまいます。
岸本さん/私も失敗するのが不安です。会社の代表は責任を負わなければならないので、失敗することで周りの人にも良くない影響を与えてしまうのではと考えてしまいます。
椎名先生/永山さんは、創業に対してどのようなイメージがありますか?
永山さん/私の父が会社を立ち上げていて、いろいろな経験を聞けることも、自分の創業したいという思いにつながっています。
椎名先生/研究結果にもありますが、永山さんのように身近に創業経験者がいる方が創業に積極的になるという傾向があります。身近に模範になる人がいることも大切ですよね。
創業しても、失敗するのではないかと思ってしまうという話がありましたが、学校での授業や市が実施している創業塾などでは、自分のスキルや知識を伸ばすことだけでなく、失敗を生かしてチャンスを次につなげるための考え方を知ることもできるのでプラスになると思いますよ。
永山さん/椎名先生も創業の経験があるとのことですが、不安になる気持ちや周りの人への説得など、どのように乗り越えたのでしょうか?
椎名先生/自分たちのサービスや商品を通じてお金を頂く経験を積み重ねていくことで、価値を届けられている実感が湧き、不安になる気持ちは少なくなっていきました。責任もありますが、創業の良いところは自分自身で切り開くことができることだと思います。
周りの人への説得は、まずは全員を説得するのではなく、自分の信頼できる人、好きな人に応援してもらえる環境をつくっていくことが大事だと思っています。
岸本さん/創業に興味はありませんでしたが、椎名先生の経験や考えを聞いて、選択肢の一つになりました。
稲葉さん/椎名先生は学生の時に創業を考えたことはありますか?
椎名先生/私が学生の頃は、創業の環境が今ほど整備されていなかったので考えていませんでした。皆さんの方がいろいろな課題について考えていてすごいと思います。
今は、創業を考えている人に対して、アイデアの段階から支援してくれるプログラムがあったり、準備の資金を一部補助してくれる機関もあったりするので、私が今、学生に戻れるのであれば創業すると思います。
茶島さん/椎名先生は創業するときに何を意識しますか?
椎名先生/意識することは〝自分がやりたいことか〟〝誰かに価値を届けることができることか〟〝自分や一緒に働いてくれる人が正当な対価を得ることができるか〟の三つです。
〝自分がやりたいことか〟は、やり切る・行動するという観点でとても重要です。
〝誰かに価値を届けること〟は、稲葉さんの夢である理学療法士のように、怪我をしているなどマイナスの状況の人をプラスにしてあげるという価値を提供する仕事もありますし、永山さんの夢であるメイクアップアーティストのように、普通の人をさらにプラスにする仕事もあると思います。誰かが価値を感じてくれないと事業としては成り立たないですよね。
また〝正当な対価〟は、お金を稼ぐことで納税したり、働く場所を増やしたりすることにつながるので、しっかり稼ぐことができるかは意識すべきだと考えています。
創業は、岸本さんの話にもあった食品ロスなどの〝社会課題などの解決方法としての創業〟と〝自分が身につけた専門知識・技術を生かした創業〟の二つのパターンがあると思います。
大学生が創業した事例を紹介すると〝社会課題への解決方法〟として、病気の影響で喉が痛くて固形物を食べることができない方のために、栄養を練りこんだチョコレートを届けるための創業がありました。また〝専門知識・技術を生かした創業〟では、栄養を多く含んだ海にある藻をたくさん増やす専門の技術により、世界の食糧危機を救うために創業した学生がいました。
皆さんも、これから自分の軸、自分の得意とするものができてくると思うので、それを生かせないかを考えてほしいです。
高校生であれば、大人のサポートをたくさんもらえるので、いろいろ考えたり、行動してみたりしたら面白いのではないでしょうか。皆さんには、やりたいことをどんどん実現してもらいたいです。
イワBIZや対談を通して創業を身近に感じ、将来を考える時に一つの選択肢と
なれば嬉しいです。
創業は若者が地域に残る・地域に戻るきっかけにもなります。市はこれからも
創業を目指す方を応援していきます。
■創業を支援しています
市は、創業に必要なことを学べる〝創業塾〟各種相談に応じる〝ワンストップ相談窓口〟創業する際の費用の一部を支援する〝創業支援補助金〟などさまざまな支援により、夢を形にするお手伝いをしています。
□創業塾
〝経営〟〝財務〟〝人材育成〟〝販路開拓〟の創業に必須となる知識を習得できる4日間の講習を年2回開催しています
□ワンストップ相談窓口
創業希望者が必要な支援を受けられるよう、創業に関する相談や各種支援制度などを紹介する〝ワンストップ相談窓口〟を設置しています
設置場所:
・商工労政課【電話】35-4519
・岩見沢商工会議所【電話】22-3445
創業塾やワンストップ相談窓口で〝経営〟〝財務〟〝人材育成〟〝販路開拓〟の四つの知識を得たことが確認できる方には市から証明書が発行され、優遇措置の申し込み・活用が可能となります
□優遇措置
・創業支援補助金
創業にかかる設備費、広報費などに要する費用の一部を補助します
補助率2分の1(上限あり)
・会社設立時の登録免許税の減免
登録免許税:資本金の0.7%→0.35%に減免
最低税額:通常15万円→7.5万円に減免
・創業支援保証の特例
融資を受ける際に、事業開始2カ月前から対象となる創業関連保証を、事業開始の6カ月前から利用可能になります
・日本政策金融公庫の特例
自己資金要件を満たす方として、新創業融資制度が利用できます。また、新規開業支援資金の貸付利率の引き下げの対象になります
問合先:商工労政課
【電話】35-4519