毎年この時期になると、カラスが人を威嚇(いかく)することが多くなってきます。カラスから身を守るために、その習性を学び、対策を考えてみましょう。
■どんなときに威嚇(いかく)してくるの?
カラスの子育ての時期である春に、卵を産んでから子ガラスの巣立ちまでの約1カ月間、親ガラスが威嚇(いかく)します。
始めは巣の周辺で威嚇(いかく)しますが、子ガラスの巣立ちの時期は、巣が近くになくても子ガラスの周辺で威嚇(いかく)します。
■どうやって威嚇(いかく)してくるの?
レベル1 大きな声で鳴いて存在をアピールする
レベル2 鳴きながら旋回して飛ぶ
レベル3 木の小枝を折ったり、枝や葉を落としたりする
レベル4 「ガッガッガッ」と濁った声で鳴く
レベル5 足で人の後頭部を狙って蹴る
◆カラスから身を守るためには?
巣から約50メートル以内に近づくとカラスは威嚇(いかく)してきます。巣に近づかないように、距離を取ったり、迂回(うかい)したりすることが大切です。
また、カラスは後ろから攻撃してくるので、次の方法で身を守ることができます。
□傘を差す(おすすめ)
カラスが近づくことを阻止しつつ、後頭部を守ります。つばのある帽子をかぶることも有効です。
□壁際に寄って歩く
カラスが飛びにくい場所を歩くことによって身を守ります。
□腕を真上に上げて動かさない
カラスは翼に物が当たることを嫌がるので、攻撃をためらわせることができます。
◆やってはいけないこと
□威嚇(いかく)する
棒を振り回したり石を投げたりして、カラスを刺激することは逆効果です。
□子ガラスに近づく
巣立ちのため飛ぶ練習をしている子ガラスは飛ぶ力が弱いため、地面に下りてうずくまってしまうことがあります。親ガラスが激しく威嚇(いかく)してくるので、近づかないようにしましょう。
□餌をやる
カラスに餌やりをすることは、生態系を乱すだけではなく、カラスが人を恐れなくなる原因となり、追い払っても逃げなくなったり、ごみステーションを荒らしたりするようになることがあります。これはカラスだけではなく、ハト、キツネ、アライグマ、タヌキなどの野生生物に対しても同様です。さまざまな伝染病を媒介することもあるので、絶対にやめましょう。
◆巣を作らせない
庭木の枝が生い茂っていると、カラスに巣を作られやすくなります。木の枝が三又になっているところを切って二又にするなど、巣を作らせないように工夫しましょう。
◆カラスの巣を見つけたら
カラスのヒナはふ化から1カ月ほどで巣立ちます。その他の期間は、巣があったとしてもカラスに襲われることはありません。
あまり早い時期に巣を撤去してしまうと、近くの別の場所に改めて巣を作ってしまう場合があります。威嚇(いかく)や攻撃などの被害がある場合や、巣の撤去の時期や方法などはお問い合わせください。
問合先:農務課林業畜産係