• 今日19/6
  • 明日18/5
文字サイズ

あなたのあたりまえを支える/水の話(1)

2/37

北海道岩見沢市

朝起きて顔を洗い、ご飯を食べて学校や職場で活動し、家に帰ってお風呂に入り寝る。そんな私たちの〝あたりまえ〟の日常を水道と下水道が支えています。
そんな水道と下水道のことを改めて考えてみましょう。

■水道と下水道の関係
水道は、浄水場で浄化した水を飲み水や手を洗う水として皆さんに届けています。
下水道は、皆さんが食器や衣類を洗ったり、トイレを流したりした後の汚れた水を下水処理場まで運び、適正に処理をしています。
水道と下水道は一心同体の関係で、それぞれの役割をきちんと果たすことで、皆さんの〝あたりまえ〟の日常を守り、さまざまな産業で利用され、経済活動を支えています。

■安全な水を届ける
□岩見沢の水道の歴史
日本の水道普及率は98パーセント以上で、岩見沢市は99パーセントを超えています。
川などから取水して、浄水・消毒した水をポンプで水道管に流す近代水道の整備が日本で始まったのは、明治20年と言われています。岩見沢に近代水道が整備され、一の沢を水源地として給水を開始したのは明治41年で、全国で13番目、北海道では函館に次いで2番目の古い歴史があります。
一の沢の水はとてもきれいだったので、当時は浄化していない〝生の水〟を飲んでいました。
その後、人口の増加と経済の繁栄により、さらに多くの水が必要となり、昭和33年に新たな水源からの取水を始めました。
それが、現在皆さんが使っている〝桂沢ダム〟の水です。

□桂沢ダムの役割
桂沢ダムは、私たちの生活に必要な水を蓄えるだけでなく、洪水から皆さんを守り、農業に必要なかんがい用水として重要な役割を担っています。
現在は、かさ上げ工事中で、工事完了後には現在の9千270万立法メートルから1億4千730万立法メートル(札幌ドーム93杯分)の水を蓄えられるようになり、私たちの生活をより豊かにしてくれます。

□さらに安全な水を
桂沢ダムの水は、昭和33年に建設された浄水場で浄化していましたが、施設の老朽化や耐震性の向上のため、新しい浄水場の整備を進めてきました。
3月からは、最新設備のろ過方式や消毒設備を備えた施設で浄化を行うため、今まで以上にきれいで安全な水を皆さんに届けられるようになります。
市の水道水は、ミネラルウォーターの基準39項目(食費衛生法)より多い51項目(水道法)の検査を全てクリアしています。また、市内6カ所の水を毎日採取・確認しているため、安心して使うことができます。

□水道を絶やさない
水道水を皆さんに届けるために、重要な役割を担っているのが〝水道管〟です。
水道管は、市内全体の地下に網目のように設置されており、全てつなげると1千140kmにもなります。これは、岩見沢市から兵庫県淡路島までの距離と同じくらいです。
市内の水道管は、50年から60年前に設置されたものもあり、近年は経年劣化による漏水が多発しています。
短期間で全て更新することは費用も掛かり難しいため、市は計画的に更新し、適正な維持管理を行っています。

■新しい浄水場
セラミック膜を使用したろ過方式により、0.1マイクロメートル
※(マイクロメートル)以上の大きさの汚れをほぼ100%除去することができます。
※1マイクロメートル=0.001mm

■汚れた水の行き先
市内には、市街地と幌向地区、栗沢地区の排水を処理する公共下水道と、幌向地区の一部と北村地区の排水を処理する農業集落排水が整備されています。
公共下水道や農業集落排水が整備されていない郊外地区などでは〝小さな処理場〟と言われる合併処理浄化槽が普及しています。
これらの施設は同じ役割を持ち、下水処理場まで汚れた水を運び、きれいにして川へ放流しています。

◆汚れた水をきれいにする下水処理場は、どんなところでしょう?働いている方に話を聞きました。
南光園処理場水ing(スイング)AM(エーエム)(株)岩見沢管理事務所所長
八反田現(はったんだうつし)さん

◇こんなことをしています
市内には5カ所の下水処理場があり、私の働く南光園処理場は市街地からの汚れた水が集まるため、1日に処理する量は約2万5千トンにもなります。
ここに運ばれた汚れた水を半日程度できれいにして、川へ放流しています。
処理は機械が自動で行っているので、普段は施設の監視と点検をし、機械の故障や異常が起きたときなど、すぐに対応できるようにしています。処理場は24時間稼働しているため、何かあれば深夜でも現場で処置を行い、施設の運用に支障がないようにしています。
また、大雨や雪解けで大量の水が流れてくると、自動制御で処理しきれなくなり、手動で機械操作をするため、毎日の天気も気にしています。
◎汚れた水がきれいになるまで
皆さんが使った水が、下水道管を通って下水処理場まで流れます
下水処理場
沈砂池(ちんさち):大きなごみを取り除き、砂などを沈めます

最初沈殿池(ちんでんち):沈砂池(ちんさち)で取れなかった汚れと泥を沈めます。水はまだ小さな汚れで濁っています

反応槽(そう):空気を入れてかき混ぜて、微生物の働きで汚れを分解します。その後、微生物は重たくなります

最終沈殿池(ちんでんち):微生物が沈んだら、上はきれいな水になります

川へ放流

◇南光園処理場の特徴
この施設は、道内で唯一〝担体(たんたい)処理法〟という処理を行っています。
これは、微生物を固定化することで、短時間で汚れを分解できるもので、通常の約2倍の量を処理できます。
汚れた水を処理すると、最終的に汚泥(おでい)という泥状のものが残ります。ここで1年間に排出される汚泥(おでい)は3千500トンにもなり、この汚泥(おでい)を肥料にして有効活用しています。
◎汚泥を肥料に
水の中のどろどろの汚泥

汚泥脱水機:汚泥をローラーでプレスし、水分を抜くことで粘土状に。この状態でも肥料として使用できます

汚泥乾燥機:粘土状の肥料をドラム型容器に入れ、ジェットヒーターで乾燥

乾燥し、サラサラな肥料に

市内の農業で活用
この取り組みは、下水道資源を農業に利用して〝食〟と〝下水道〟の連携を強化する〝ビストロ下水道〟と呼ばれていて、平成27年に国土交通大臣賞〝循環のみち下水道賞〟を受賞するなど、全国でも高い評価を受けているんだ

       

岩見沢市発行の広報いわみざわです。市民の皆さんへ大切な情報をいち早くお届けします。 広報プラス ーわたしの岩見沢ー

MENU